不動産税務
不動産の税金について、教えて下さい。
おこしやす。
税金のことでんな、任せといておくれやす。
家を購入した時は、どんな税金がかかりますか?
購入時の税金と言えば、不動産取得税やけど、軽減措置の適用が可能で控除額が大きい場合は、無税となる事も多々あります。
他には、登記の際の登録免許税、印紙税、固定資産税の清算金なども必要になりますな。
他には、贈与による取得は贈与税、相続による取得には、相続税がかかりますわな。
なるほどですね。色んな税金がかかりますね。取得税の軽減措置とは何ですか?
取得税の軽減措置は、基本的に新築中古を問わず居住用の土地建物に適用されます。家屋については、50㎡以上240㎡以下、中古住宅については、耐震基準適合既存住宅の要件を満たしているものが対象となり、その他にも細かな適用要件があります。
耐震基準適合既存住宅って?
50㎡以上240㎡以下の昭和57年1月1日以降に新築された住宅が該当します。また、昭和56年12月31日以前の建物であっても、新耐震基準適合証明等の証明を受けている場合も適用されます。
またややこしそうですね。それで、どのぐらい軽減されるんですか?
新築時の築年数により細分化されています。新築なら1,200万円(1,300万円)、その他の既存住宅は、築年数によります。
平成元年4月以降は、1,000万円、それ以前は、古くなるに従って400万円台、300万円台と徐々に縮小されます。
この控除額が、購入した不動産の取得税額を上回れば、税額が0円となります。
なるほどですね。購入時は要チェックですね。では、逆に不動産の売却時は、どんな税金がありますか?
売却時は、譲渡所得税がありますね。売却により、利益が出た場合に限り、所得税や住民税で支払います。
利益が出ていない場合は、無税となります。
そして、譲渡時の保有期間が5年未満か5年超かにより税率が大きく異なります。
保有期間5年未満で譲渡益が出た場合の税率は、約39%、保有期間5年超で譲渡益が出た場合の税率は、約20%となります。
あと、それらに2%程度の復興特別所得税等が加算されます。
ふむふむ。
5年超なら半分程度で済みますね。でも、家を売って利益が出た場合は、最低でも20%程度の税金が掛かる訳ですね。
はい、基本的にはそうです。ただし、居住用不動産の場合に限り、3,000万円特別控除と言う措置があります。
自宅の譲渡に限定されますが、譲渡益が生じた場合でも、3,000万円以内であれば無税となります。そして、この制度は、3年に一度しか使えません。
なーるほど。
やっぱり救済措置があるんですね。
でなければ、大昔に買った土地なんて、今売ったら、大きな利益が出て大変な事になりますよね。
譲渡による利益=譲渡所得は、譲渡代金-(取得費+譲渡費用)で求めます。
取得費とは、その不動産の購入時の金額とそれに要した費用です。
譲渡費用とは、その不動産を譲渡した際に要した費用(登記代や仲介手数料)などです。
取得費は、土地の購入代金はそのままの金額が取得費となり、建物は、資産償却後の現存価値のみが、取得費として認められます。
それで利益が出た場合は、その利益から特別控除3,000万円を差し引いて、それでも、利益が出ている場合は、所有期間5年以内又は、5年超の税率規定により、所得税等を支払います。
ここで重要になるのが、所有期間の判断です。
5年超というのは、購入日から譲渡日までの期間では無く、譲渡した日が属する年の1月1日が起算日となります。
例えば、2023年の6月に譲渡した場合は、2023年の1月1日が起算点となるので、その5年前となると、2018年12月31日以前に取得している場合が5年超となります。
なるほど。1年スパンな訳ですね。
一つ気になるんですが、購入したのが大昔で、取得費が不明な場合は、どうなるんですか?
おっと、ナイス質問ですね。
それについては、別のコーナーの「相続」で詳しく説明するんですが、
基本的に取得費が不明な場合には、譲渡額(売値)に対する5%を取得費と見なす事になっているんです。
5%ですか。もし、大昔に買った土地が1億円で売れた場合、取得費が証明できなければ、1億円の5%だから500万円が取得費になるわけですよね。
そうなると譲渡費用や特別控除を差し引いたとしても、譲渡所得が6,000万円以上になりますね!
すると所有期間5年超でも、1,200万円以上の税金なんて、激痛が走りますね。
そうですね。
取得費5%の計算はイカツイですが、取得時期が、もの凄く大昔の場合には、逆に有利に働くこともあります。
現在価値が1坪100万円の土地でも、50年以上の昔になると、1坪3万円だったりする場合もあります。
その土地が100坪で1億円で売れた場合、当時の取得費は、100坪×3万円で300万円です。
でも、取得費不明で5%計算となる場合、1億×5%で500万円となりますから、取得費が不明な方が有利になるというわけですね。
あと、一応、代替する計算方法も用意されているみたいですね。
5%に代わる合理的かつ客観的な金額を取得費として差し支えないとの規定ですが、あまり昔になると5%の方が有利になりますので、使う場面は少なそうですね。また、いつか別のコーナーで紹介したいと思います。
わかりました。譲渡益が出る場合は、色々と注意しておく必要がありますね。
と、ここまでは、譲渡益が出た場合の話しだったんですけど、逆に損失が出た場合のこと気になりませんか?
なります、どうなるんですか?
譲渡による損失が出たときは、買換える場合と買換えない場合で異なります。
買換える場合は、譲渡による損失を他の所得から控除できます。一度に控除しきれない場合は、3年間の繰越し控除が可能です。
次に買換えない場合でも、ローン残高が残っている場合のみ、同様の適用があります。それぞれ、適用要件がありますので、税理士さんなど専門家に相談することをお勧めします。
色々と難しいね税金は。特例措置って他にもあるんですか?
所有期間が10年超えの自宅を売却した場合には、また別の特例があります。
簡単に言えば、新規購入した家の取得額が、売却した家の譲渡額を超える場合は、売却益が出ていても、その部分について無税になるという制度です。
逆に、取得額の方が低かった場合は、その差額分については課税対象となるようです。特定の居住用財産の買換えの特例と呼ばれる制度です。
先程のケースで、昔に買った土地の売却額が1億円以下である場合なら、その譲渡益以上の家を買えば無税になるという事ですね。
適用には、申告が必要となりますので、こちらも専門家に確認する事をお勧め致します。
だいたい解りましたけど、何かと難しいですね税金は。
下に資料を掲載していますので、ご参考に頂ければ幸いです。
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