価格査定
価格査定について教えてくれ。
はい。
一般的な査定方法として、机上査定と実査定があります。
査定額については、流通価格と買取価格があります。流通価格は、その対象物を一般消費者に譲渡する際の価格、買取価格は、事業者が買い取る際の価格です。
机上査定は、対象物をデータでのみ査定する方法で、実査定とは、査定者が実物を確認して、実際の状況を加味する査定方法になります。つまり、机上査定よりも実査定の方が、精度が高い査定方法と言えます。
ほう。すると机上査定の意味は無いな。
精度的は劣りますが、机上査定であっても、対象物の立地や規模、近隣相場や過去の取引事例等と比較する事である程度の価格が解りますので、素早く情報を得たい場合には有効です。
ふむ。では、その机上査定の詳細について教えてくれ。
はい。査定の根本的な考え方として、原価法や比較検討法、収益還元法等がありますが、通常の居住用不動産の場合には、それらを基に周辺の取引事例や対象物の残存価値などを合わせて査定いたします。
なるほど。ところで、その査定額は、誰が査定しても同じ結果になるのかな?
査定者により、多少の違いはあると思いますが、ある程度の流通量がある地域や過去の取引事例が多い地域、対象物に固有の特徴が無く、一般的な物である場合は、概ね同様の結果が得られる場合が多いです。
理由として、通常の査定では、専用ソフトを使用しますので、基本的な部分は自動処理で行われるためです。
根拠となる過去の取引事例や公的価格、対象物の立地や建物の状況等について、同様のデータを用いる場合は、同様の結果が得られます。
ほう、ソフトか。わしは、バニラ味が好きじゃ。
基本の部分は、自動処理により大きく異なる事は少ないのですが、査定額に最も影響を及ぼす要素として流通性という考え方があります。
流通性とは、平たく言えば人気度みたいなもので、その対象物がどのぐらい売れやすいか売れにくいのかを推し量ることですが、車などの別の動産類と同じく、不動産につきましても、その物の人気度、流通性が最も重要な要素となり得ます。
ですので、査定者の経験値や工夫により、その価値をしっかりと見出せるか否かで多少の違いは生まれます。
ほう。では、うんと高い値を付けてくれるように頼みたいものじゃな。
それは可能です。しかし、あまり有効な手段ではないというのが実情です。いくら自信を持って高額な値段を付けたとしても、売れなければ意味がありませんし、売れない時間が長くなり過ぎると、その対象物の価値もどんどん低下して行きます。
土地は、基本的に消耗しませんが、建物は、資産償却しますので、年々価値が低下します。また、市場に長く残り続ける事で、ユーザーの購買意欲を低下させるとのデメリットもあります。
その為、なるべく査定時の資産価値を損なう事なく売却する為には、査定時から概ね2カ月以内程度で売れるであろう価格を適正な流通価格とするのが一般的です。
なるほどのう。高額な査定額だけを求めても無意味な訳じゃな。
そうですね。今は、ネット等の普及により、多くの情報が流通する時代ですから、実際の相場と乖離した高額で売り出しても、あまり効果に期待できません。
現実的に売却が可能であろう範囲内において、客観的な根拠に基づいた最高額を見出す事が査定者の力量だと思います。
ふむふむ、なるほど。現実的な高額査定じゃな。
そうです。客観的な価値を測る事が査定本来の趣旨であり、妥当な価値観であると言えます。
売りたい希望金額と買いたい希望金額は、常に相反するものですが、それらの中間が本来の査定額であるとご認識いただければと思います。下に簡単な資料がありますので、ご参考になれば幸いです。
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