契約関係
契約書
お互いの意思の合致により成立した内容を記載する書面。
手付金
売買契約などの契約時に交付する金銭等。不動産取引では、特に定めの無い手付金は、解約手付の性質を持つと解される。
解約手付とは、買主(借主)は、交付済手付金の放棄、売主(貸主)は、受領済手付金の倍額を返還する事で契約解除が可能となる。
どちらも相手方が契約の履行に着手した後は、手付解除はできない。履行の着手に関する判断基準としては、契約書上に期限を定める事が多い。また、契約が履行された場合は、手付金を売買代金の一部として充当することが多い。
重要事項説明書
取引する不動産の詳細が記載された書面であり、宅地建物取引業法35条に規定されているため、35条書面と言われる。必ず、契約前に宅地建物取引士からの説明が必要となる。
記載事項は、同法により規定されているが、法定記載事項以外の部分であっても、特に重要度の高い事項については、記載義務を生じる。
住宅融資特約(ローン特約)
融資特約とは、住宅ローンを停止条件とする売買契約上の買主保護の特約。
住宅ローン審査が非承認となった場合、買主は、無条件で契約解除が可能となるが、ローン審査に対する非協力、虚偽申告又は、所定の解除期限を超過した場合には、特約による解除権を失う。
買主自身が申込む自主ローンのみについては、特約の対象外とする場合が多く、買主の自主ローンとは別途に売主又は売主の承認する媒介会社等が行う申込手続きと並行して行う場合には、全ての融資結果を対象に特約を有効とする場合が多い。
ローン特約は、買主保護のみを目的とした停止条件であるため、売主側でも、ローン審査の内容や状況を直接的に把握する必要がある。
金融機関は、個人情報保護の観点から、申込者以外の第三者に対して審査内容などの情報提供は行わないため、ローン特約の対象とするためには、売主や売主の承認する媒介会社からの申込が必要となる。
また、複雑な知識を要するローン審査において、不慣れな一般人が行う事で審査の確度が低下することも多いため、ローン特約が買主保護のみの観点で構成されている以上、売主側に対しても契約履行の確度を追求する機会を与える必要もある。
そのため、ローン特約を設定する売買契約では、基本的に売主又は、売主の承認する媒介会社等が申込手続きをする事が多くなる。
公簿取引と実測取引
土地建物の取引において、その登記簿謄本に記載のある面積を対象とした取引を公簿取引という。
それに対して、実際の測量で得た面積を対象とした取引を実測取引という。
法務局に登記簿謄本や測量図が供えられた不動産については、公簿取引とするのが一般的であるが、実測を行う場合もあり、その方法は当事者同士の意思の合致によって決まる。
公簿取引では、登記簿記載面積と実際の面積に差異が生じていても、売主買主双方は、その事を理由に代金や取引条件の改定等を申出ないことを条件とする場合が多い。